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マグリット展 国立新美術館

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国立新美術館で開催中(2015年6月29日まで)のマグリット展にいきました。 日本でマグリットの作品をこれだけの数集めた展示は過去にはないようです。 マグリットというと僕が思い出すのは、林の中を進む馬に乗った女性が描かれた作品(「白紙委任状」)です。子どものころ本で見たときの印象が強く残っているのと、「だまし絵展」でも確か見た気がします。 今回は、そのほかにも「ゴルコンダ」や「空の鳥」など、著名な作品を多数見ることができます。マグリットさんのことをよく知らなかったので、単に不思議な絵を描く人としか思ってませんでした。今回さまざまな作品を見て思いました、この人頭おかしいなと。 まず、タイトルが本当にあってるのか疑ってしまう。今回展示されていた中に「発見」という作品がありました。マグリットさんは或る時、ある存在とまた別のある存在との境界は実はあいまいで、連続的に変化しているということを“発見”したそうです。それで、その変化を描いた作品に「発見」とタイトルを付けたそうです。ん?ってなります。タイトルってそういうものなの? 他にも、3人の男性の頭の上に三日月が描かれた作品があります。マグリットさんはこれまた或る時、実存する月は一つだが、個人にはそれぞれ心の中にそれぞれの三日月があることに気づいたそうです。そして、これは“傑作”になるといって、「傑作」とタイトルを付けたそうです。やっぱり、んん??って感じです。 これらは腑に落ちないタイトルではありますが、正直なところまだ理由が説明できるだけマシかもしれません。 また、彼の作品にはたびたび登場するモチーフがあります、「鈴」や「ライフル」「空」「岩」などなど。きっと、それぞれ何か意味があるのだろうとこちらは思います。そんな風に最初は鑑賞していました。でも、あれだけ訳わからないとなんだかどうでもよくなってきて、そうなってくると逆に面白くなってくるというか。 風景なり人物なりを描写していない絵画を鑑賞するときは、描かれているモチーフやタイトルから作者のメッセージを読み取ろうとしてしまいがちなんですが、彼の絵はなんらかの“感情”や独特の“浮遊感”を覚えさせるもので、それを純粋に楽しめたらいいのではないかなぁ。 写真は、購入したポストカード(「空の鳥」と「人の子」。ベルギー直輸入だそうです)。 ち...