平ヶ岳・恋ノ 岐川

 今夏の沢登りは平ヶ岳・恋ノ 岐川にいってきました。平ヶ岳は新潟県に位置し、越後三山と尾瀬の中間に位置する、日本百名山の一座です。頂上には湿原が広がる、名前の通りのっぺりとした山容の山です。恋ノ 岐川は、東日本でも随一の名渓。上越の 沢らしく、白い岩を持った明るい印象です。遡行距離が10 km程もありながら 水量はさほどではなく、ロープを使うような大滝はなく、快適な沢旅が楽しめます。

2015/8/20
 18時頃、横浜近辺を車で出発。帰宅ラッシュらしく、環七の進みはかなり遅い。どうにか関越にのり、新潟県・小出ICまでひた走る。小出ICを降りてからも道のりは長く、山道を50 km以上走り、日をまたいだ頃にようやく平ヶ岳登山口に到着した。今夜はここで朝まで仮眠。

2015/8/21 恋ノ岐橋 → オホコ沢出合(遡行時間約7時間)
 恋ノ岐川の入渓は、この登山口より10 kmほど山道を戻る必要がある。多くの沢屋は車二台で来て、下山場所のこの登山口に一台置いておくわけなのだが、われわれにはそんなの無理である。そのかわり、自転車(しかもママチャリ笑)を置いていく。盗難を恐れママチャリを選択したが、これが下山後の不幸を呼ぶことになろうとは…
登山届けをポストに出し自転車を置いて、我らは恋ノ岐橋へと移動。沢支度を整えて7時半頃に出発!昨晩の雨による増水を心配しつつ、遡行開始。下流部は小滝はちらほらあるがナメ床とゴーロが基本、快適な沢歩きが楽しめる。しかし残念なことに、しとしとと雨が降り続けるのであった…
途中で、下降をする単独の男性に出会った。昨晩の雨による増水を警戒し、降りてきたようだ。様子を見ながら、とりあえず遡行を続ける。直登が困難な滝も数本あるが、巻き道もしっかりしている。多少増水しているようで、腰くらいまで水に浸かる場面も出てきた。明日も雨予報だったので、今夜のテン場は退避も可能なオコホ沢出合にしよう。オホコ沢をエスケープルートに取れるし、なによりオホコ沢出合より上に進んでしまうと沢床は狭くなってくるため増水時の退避が難しい。この日オホコ沢出合に着いたのは、15時頃であった。オホコ沢出合は右岸に快適なテン場があり、2人用テントくらいなら幕営可能。ラジオで聞いた天気予報によると、明日は秋雨前線が北上し北陸と東北の太平洋側で雨予報、うーむ明日は大事をとってエスケープルートかなぁ。

2015/8/22 オホコ沢出合 →(オホコ沢遡行 約2時間半)→登山道→平ヶ岳登山口
 夜中雨は降り続けていたが、朝にはなぜか止んでいた。しかし雲は厚く、好天は望めなそうだ。このあとの大ナメを遡行できないのは残念であるが、今日はオホコ沢を遡行し早々に下山するとしよう。5時半にオホコ沢出合を出発。オホコ沢は滝の情報などはなかったが、心配なかろう。結果的には、2段5 mくらいの滝があり少し難しかった。左岸に巻き用の固定ロープが残置されていたが、かなり滑るため、左壁を直登した。取り付きが少しハング気味だが、ハングの上にあるホールドに手が届けば、超えられるだろう。あまり登攀に慣れていない連れも、お助けロープで越えられた。ツメに近づいたころ、三俣に出合う。右に赤布が付いていたが、地形図から察するに右だと稜線に中々ぶつからなそうなので、真ん中を進んだ。しばらく行くと水も涸れ笹薮となるが、さほど苦労することなく木道のある登山道に出ることができた。出合から約2時間半くらいの行程だ。
 気づくと空は晴れてきて、気温が上がってくる。今日は土曜なので、平ヶ岳を目指す登山者も多かった。時間に余裕もあるのでゆっくりと下山し、11時半頃に平ヶ岳登山口に帰ってきた。かなりの数の車が止まっている、恋ノ岐を遡行している人のもあるかな。我らがママチャリのとこに行ってみると、もう一台自転車(クロスバイク)が止まっていた。この持ち主も恋ノ岐川にいったようだ。
 さて、ここからはチャリで車のとこまで行くわけだ。最初は下りの道を快走していたのだが、気づくと道は登り坂に…あれ?登りが続くよ、ママチャリじゃキツイなぁ。登山の疲労も相まってチャリを断念。チャリはそこに置いて、歩いて行くことにする。その後も登り坂が続き(チャリを置いて正解!)、一時間ほどかかって恋ノ岐橋に到着。へとへとである。そこから連れとママチャリを回収するために戻ると、連れが「あまりに戻るのが遅いので、谷にでも突っ込んだのかと心配した」と。このロードが今プランの核心であった。その後、銀山平の白銀の湯で英気を養ったのであった…

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