奥秩父・竜喰谷遡行

10月中旬、ついこないだまでの暑さは何処へやら、めっきり秋らしくなった。沢のシーズンも終わろうとしている。沢納めということで、奥秩父・竜喰谷に行くことにした。「竜喰」と書いて「りゅうばみ」と読む。登れる滝が多く、また巻道もしっかりしているので、初級者から中級者にも楽しめる沢。ただかなり山深いところで、公共交通機関でのアプローチはしんどいが、車であれば、入渓点まで入れる。

山域:奥秩父・竜喰谷
日程:2016年10月16日(日)前夜泊+日帰り
パーティ:5人
装備:30 mロープ1本
カメラ:GoPro Hero3

15日(土)20時。みんなを迎えに車で武蔵小杉駅に行く。やんごとなき理由(ラーメン屋に並んでいて…)のため、到着が遅れてしまった。まぁでもドライバーである私に文句も言えまい。
 今夜は、入渓点付近にある「道の駅たばやま」まで行く予定である。入渓点まで車で行けるのであるが、少し離れた道の駅で泊まる。もちろん、トイレや水道があり便利であることが第一の理由であるが、もう一つ理由があった。というのも、入渓点のある一之瀬川には「おいらん淵」という心霊スポットがあるのだ。戦国時代、武田の隠し金山の秘密が漏れることを恐れた金山奉行によって、遊女五十五人が口封じのため淵に沈めて惨殺されたとされている。正直、私はどうでもいいのだが(そもそも心霊スポットが近いことを知らなかったし)、道の駅で前夜泊をして翌朝入渓点に向かうこととなった。「道の駅たばやま」までは中央道を上野原で下りて、そこからひたすら山道を進む。かなり山深いところだった。アップダウンも多く、二、三回は峠を越えたと思う。
 22時半。「道の駅たばやま」に到着。止まっている車は多く、登山だけでなく、釣りやカヌー?目的の人たちもいるようだ。駐車場にテントを張り、ささやかな宴会ののち、24時就寝。

16日(日)5時。寝足りないが起床。かなり寒い…この日の丹波山の最低気温は10℃!沢に行きたくないムード漂う。とりあえず水温チェックしてから入渓するかどうか決めようなどと話しつつ、6時出発。
 入渓点についたのは、6時45分くらいだったかな。最初、入渓点を間違えて通りすぎてしまった。入渓点を通り過ぎると、「オートキャンプ場 サバイバルゲーム」などと書かれた看板が出てくるので、その看板を見たら引き返そう。
 7時、準備体操をしてどうにか体を温めたのち入渓。竜喰谷に入るには、まず最初に一之瀬川を渡渉しなければならない。ここのところ雨は降っておらず、水量は多くないとはいえ、膝上までは水に浸かる。ある者は歯を食いしばって、またある者は言葉にならない叫び声をあげながら、一之瀬川を渡渉する。水温もなかなか殺人的であった。沢納めに相応しい幕開けである。
 竜喰谷に入ると、次々に程よい滝が現れる。寒さも忘れ、、、たわけではないが、遡行を楽しむ。しばらくして、最初の核心「精錬場ノ滝」に着く。ここは右から登れるが、シャワークライムとなる。5人中3名直登、2名は右の明瞭な巻道を選んだ。冷たい水を頭からかぶりながら登る。今度はすぐにこの沢最大の落差12mの「下駄小屋ノ滝」が現れる。ここは中段が滑りやすく注意が必要。ここは2名直登、3名は左岸の巻道を選んだ。
精錬場ノ滝
精錬場ノ滝は右からシャワークライム
下駄小屋ノ滝

 「曲り滝」は、その前の階段状の滝とともに、大高巻きすることに。リードをしたい気持ちもあったが、水流を浴びながらの登攀となることを皆嫌がり、巻道を選択した。この大高巻きは過去に転落事故が起きているが、道自体はしっかりしている。巻き終えて、8時半。このころには日も大分高くなり、沢に日が差し込むようになった。
曲り滝前の階段状の滝
これごと右岸を大高巻き

 その後は特に大きな滝はないものの、スダレ状8mをまたまたシャワークライムしたりなど、大いに楽しめる。井戸沢を横切る大常木林道についたのは、10時半。林道を下り、車に戻ってきたのは12時半ごろであった。
スダレ状8m 快適に登れるがめちゃ濡れる

スダレ状の後の5m滝 皆思い思いのムーブ

さらにその後の8m 左右とも登れる

 遡行後は、道の駅たばやまに併設されている温泉や鹿肉ウィンナーなどを楽しんだ。

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