読んだ本メモ② 「方法序説」デカルト

「方法序説」を読みました。
かの有名な17世紀フランスの哲学者ルネ・デカルトの著作。



デカルトと言えば、「われ思う故に、我あり」という一文はあまりに有名。
これは「方法序説」で記述されている「コギト・エルゴ・スム」というラテン語を日本語に訳したもの。

デカルトは哲学者として知られていますが、
現在のおよそ全ての学問の方向性を示した偉大な思想家です。
彼は、当時の学問と言われるものの全てを学んだ上で、
それらに疑問を投げかけ、ゼロから信じられるものを積み上げていきました。

デカルトの生きた17世紀の西洋では、新しい哲学や科学は厳しく断罪されていました。
ガリレイ断罪は特に有名なものです。
デカルトも「方法序説」の中で、そのことに触れており、「世界論」等の著作を書き上げながらも、生きているうちには発表できないことを語っています。


この著作には、現代の科学や常識からは外れる内容もありますが、
六部構成のうち第四部は特に、デカルトの思想を知るには重要でしょう。
全てを疑ったデカルトが、たどり着いた「コギト・エルゴ・スム」から
「神の存在証明」に至るまでの思索を知ることができます。


「神の存在証明」というと少しオカルトなものを想像してしまいますが、
ここで言う「神」とは、髭もじゃでローブを着たような神様がいるという話ではなく、
完全性を持つ存在と語られています。


デカルトの「神の存在証明」は後世の哲学者によって否定されていますし、
機械論的思考によって発展してきた近代科学も、学術思想の転換を迎えようとしています。
現代のデカルトは、どのように今後の学問の行く末を指し示すのでしょうか。


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